• 教材や実験の開発情報

化学基礎実験_NOTE

「動 画」実践記録

No.9  解説のみ

「表 題」炎色反応による成分分析

「目 的」金属種によって特定の光を発する炎色反応の観察とその応用によって有機化合物中に含まれるハロゲンの存在を確認する。

「概 説」

1.電子の振る舞いによる光:原子中の電子は、通常は基底の軌道に存在するが、外部から[ 熱エネルギー ]を与えられることにより、外側の軌道に移動するということが起こる。これが励起状態であり、元の基底状態に戻る際に余ったエネルギーを光として放出する。ところが、もともと電子は決まったいくつかの軌道にしか存在できないので、電子の持つエネルギーは、とびとびの[ 特定 ]の値にしかならない。従って、放出される光エネルギーの波長も特定の[ 色 ]を放つものとなる。

2.炎色反応:アルカリ金属、アルカリ土類金属、銅などの金属塩を炎に入れると、その金属特有の色を発することがある。例えば、アルカリ金属のリチウムLiは赤い炎色を呈するが、電子が基底状態に戻る際に発する光の波長が赤に相当するのである。放出されるエネルギーEと振動数νは比例し、次式のように示される。

E =hv (h:プランク定数)

なお、人間に見える光(可視光線)の波長は、おおよそ400nmから770nmであり、その範囲より短いものを[ 紫 ]外線、逆に長いものを赤外線と呼んでいる。

3.炎色反応を観察しやすくするためには、サンプルが高温に加熱され気体状の原子となっている必要がある。例えば、銅線を単に加熱するだけではなかなか原子は蒸発しない。しかし、塩素との化合物とすればイオン結晶が熱により解離し、原子化しやすくなって沸点が低くなるのである。教科書の炎色反応の実験では、[ 白金 ]線がよく示されている。これは、この金属が非常に安定(融点3825℃)でイオン化しにくく、他の金属イオンのの観察の妨げにならないからである。

4.プラスチック中の塩素の検出「バイルシュタイン試験」:銅線を加熱しても銅の沸点は2630℃と高いので、銅は蒸発せず炎色反応が起こりにくい。しかし、プラスチックのような[ 有機 ]化合物に含まれる塩素がラジカルとなると、熱せられた銅の表面で塩化銅(ⅠまたはⅡ)を作る。これは融点が低いので、その一部が気化し緑色の光を発するというものである。フリードリヒ・バイルシュタインが考案した簡単なハロゲンの検出法(フッ素は不検出)である。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。