「表 題」基本操作(加熱・溶解・燃焼など)を伴う実験_硝酸カリウムを付着させた紙の燃焼の観察
「目 的」硝酸カリウムを水に溶解させ、水溶液を紙に塗り付けた部分の燃焼の様子を観察する。
「動 画」実践記録
「実験理論」
- 燃焼が起こる条件:一般に、物が燃えるには燃えるもの(物質)、一定の温度、一定濃度の酸素が必要である。特に酸素の濃度については、通常の空気中での燃焼反応は、酸素濃度が約[20 ]%という条件下で起こる。反応に関わる[粒子 ]数が一定数確保されないと反応は継続しない。また、反応の温度や[触媒 ]の存在も反応速度を決める要素である。
- 硝酸カリウムの熱分解:反応によって発生した酸素が反応に関わることで紙の燃焼を促進する働きを果たす。酸素濃度が高いとそれだけ燃焼の化学反応に関わる粒子数が増大し、温度が高くなればそれだけ粒子の[衝突 ]回数が増大するのと同様の効果がもたらされる。なお、この実験については硝酸カリウムのカリウム自体が反応を促進する触媒の役割も果たしている。
「準 備」
薬包紙 硝酸カリウムKNO3 0.5 g 電子天秤 洗びん ガスバーナー マッチ 試験管バサミ 筆 更紙(和紙) 線香
「操 作」
- 配布する硝酸カリウムKNO3を電子天秤を用いて薬包紙上に50 g秤量する。→残りは返却する。薬包紙は廃棄。
- 硝酸カリウム50 gを試験管に入れ、洗びんで約2 mLの水を加える。
- 試験管を試験管ばさみで保持し、ガスバーナーで加熱する。
- 加熱を停止し、試験管を作業用試験管立てに戻す。(ガスバーナーの炎は小さく調整し、そのまま維持する)
- 硝酸カリウム水溶液を筆に湿らせて、更紙に付着させる。文字や記号を描くとよい。
- ガスバーナーの炎で紙全体をあぶって少し乾かす。
- 同様の作業を数回繰り返し、硝酸カリウムが文字や記号の上にたくさん付着した状態にする。最後の仕上げでは、更紙を完全に乾燥させる。
- 線香に火をつけて、更紙の文字部分に押し付ける。燃焼が継続したらそのまま更紙を保持して観察する。
「工夫や注意点・片付け等」
- 更紙や線香は水道水で濡らし、火が完全に消えていることを確認してから燃えるゴミとして廃棄する。
- 残った硝酸カリウムの結晶は所定のところに戻す。
- 使用した器具の洗浄と乾燥:使用ガラス器具は、少量の洗剤をつけブラシ等を用いて洗浄する。洗浄後の試験管は、乾きやすいように保管用試験管立てに逆さにしておく。
- 流しを大きなブラシで洗浄し、燃えかすや固形物が残っていないことを確認する。
「観察・結果」
- 薬包紙の折り方:
- 電子天秤の便利な使い方:
- ガスバーナー使用方法について
- マッチ点火とネジ栓の開栓の順序は?
- 空気栓の役割は?
- ガスを閉める順序は?
- 試験管バサミでの保持のしかた:図説
- 筆や線香の処置は?
- 操作8での反応の様子:図説
「考 察」
- 硝酸カリウムが水に溶解する際の反応を化学反応式で表しなさい。
- 硝酸カリウムの熱分解反応を化学反応式で表しなさい。
- 硝酸カリウムが付着した部分が強く燃焼した理由を考察しなさい。
- 硝酸カリウムの残液の処理として適切な方法について説明しなさい。