「ダウンロード用ファイル_様式指定レポート用」
ファイル2:format_No.7:二段階中和滴定による未知塩酸濃度の測定
化学基礎実験_実験NOTE
「動 画」実践記録
様式指定レポート
※この実験NOTEは、前回と同様、提出不溶、代わりに指定様式(フォーマット)の通り、記載例*を参考にまとめること。
※ファイルダウンロード先:このプリントのワードデータは、次のブログからダウンロード可能である。
→ 「らくらく理科教室」 - 固定ページ「担当科目メニュー・シラバス等」 - 「化学基礎実験AB」 - (下の方に) ―「ダウンロード用ファイル_化学基礎実験用」―「format_No.7:二段階中和滴定による未知塩酸濃度の測定」
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*『様 式』ダウンロードしたフォーマットファイルをそのまま使えば、詳細な設定は不要になる。
*フォーマットファイルは、このプリントの内容と同様である。このプリントの教員の解説部分などをカットしたり、書き加えたりして、自分なりのオリジナルな論文とすればよい。
- ワープロで清書
- 左とじ(裏表印刷不可)
- 「レイアウト」→「ページ設定」(ワードの場合):A4サイズ・2段組み・21文字46行・明朝体(英数字フォントはCentury可)12.0ポイント
- 文字数と行数:余白上下15mm左右20㎜を入力後、「標準の文字数を使う」ボタンを押すと自動設定される。
- ページの挿入:「挿入」→「ページ番号」→「ページ下部」 ただし、表紙は0ページまたはページを記載しない。
- 実験中に撮影した画像や参考になるデータを貼り付け、直筆で描き入れる部分をつくる。
- 記載項目:基本的に実験NOTEに従う。ただし、「使用器具と使用試薬は別々に記載」など、正式な論文形式に従う部分もあるので注意すること。
- 「表 紙」0ページ:中央部分に『実験タイトル』のみ18ポイント文字
どんな研究に取り組んだのかがわかるように端的に表現する。必要な場合は、「~サブタイトル~」を付しても良い。
「実験実施日」「学籍番号」「氏名」「共同実験者」→ 右下右寄せ
- 「目 的」:表題が示す実験の概要が理解しやすいように、短い文章でまとめる。
- 「実験理論」:実験の内容を構成する理論、物質名や反応機構、公式などもここにまとめて記載。実験後の考察の前提に必要な基本事項をここにまとめておく。
- 「準 備」:「使用器具」「使用試薬」を分け、それぞれの器具の使用方法や物質の性質について調べるとさらによい。
- 「操 作」:実際の手順に従い、第三者による追試がスムーズに実施できるように記載する。
- 「結 果」:実験のデータだけではなく、結果に至るまでの観察の経過や気になったこともここに記載しておく。
- 「考 察」:実験の結果から得られた科学的な知見を述べる。実験の種類が複数にわたる場合は、それぞれ分けて考察する。関連性の高い結果については「まとめ」を追加してもよい。
- 「参考文献等」:レポート作成にあたって、具体的に参考にした資料がある場合。
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提出レポート記載例
以下、指定様式としての記載例。あくまで例であり、そのまま写すのではなく、内容を要約したり拡張するなど工夫を加えること。特に、様式に関わる注意事項は*印で示した。
提出期限: / ( )
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「表 紙」
*ここは単独ページ(0ページ)にする
「表 題」
炭酸ナトリウム-塩酸の二段階滴定による濃度決定
「氏名等」
*右下に学籍番号・氏名・共同実験者・提出日等を記載する
…ここから1ページ…
「目 的」
*炭酸ナトリウムの標準溶液を調整し、濃度不明の塩酸の濃度を中和滴定により求める。また、二段階滴定に必要な器具・指示薬の役割を理解し、それらの取り扱いに習熟する。
「実験理論」
- *酸と塩基による中和の原理:酸と塩基が反応すると、酸のH+とOH–が反応して水になり、その際に酸と塩基の性質が互いに打ち消される。このような反応を中和という。炭酸ナトリウムと塩酸の場合は、次のとおりそれぞれ1 molと2 molで過不足なく中和が起こる。
Na2CO3 + 2HCl → 2NaCl + H2O + CO2
この反応式により、それぞれの価数が2と1であり、塩である塩化ナトリウム2 molと水1 molが生成する。
なお、H+やOH–の濃度の小さい弱酸や弱塩基の場合でも、中和によってH+とOH–が消費されると電離が進んでそれらのイオンが供給されるので、中和反応に必要な物質量は酸塩基の強弱には無関係である。
- *中和滴定の仕組み:a価で濃度c [mol/L]、体積v mLの酸の水溶液に、b価で濃度c’[mol/L]、体積v’mL の塩基の水溶液を加えたとき、過不足なく中和したとする。このとき、中和反応の量的関係より次式が成り立つ。
a×c×(v/1000) = b×c’×(v’/1000)
- *二段階滴定:炭酸ナトリウムと塩酸は、2:1で過不足なく中和する。しかし、実際の中和反応は次のように二段階で進行すると考えることができる。
- Na2CO3 + HCl → NaCl + NaHCO3
- NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2
中和にともなうpH曲線も特徴的な二段階曲線となり、①ではフェノールフタレインの変色域(pH8.0-9.8)と重なるが、反応が完結する②の中和点はやや酸性側で起こる。従って、酸と塩基が過不足なく終結する場面では、やや酸性側に変色域(pH 3.1 – 4.4)を持つメチルオレンジを指示薬として用いるのが適切である。
「準 備」
*【器具】
*【試薬】
「操 作」※操作はそのまま
- 50mLビーカーを精密電子天秤に入れて0gセットする。その後、配布された無水炭酸ナトリウムNa2CO3 を約2g入れてから質量を精秤し記録しておく。
- 無水炭酸ナトリウムNa2CO3 を少量の水により、ガラス棒を使い完全に溶解させる。その炭酸ナトリウム水溶液を注意深く200 mLメスフラスコに移し、純水を加えていく。洗ビンをうまく使い、ビーカーやガラス棒に炭酸ナトリウムが残らないように、しかも体積は200 mLの標線(!)を超えないように調整する。これにより、塩基である炭酸ナトリウムNa2CO3水溶液の濃度C’が確定する。
- ホールピペットにより、正確にv’= 10 mL(炭酸ナトリウム水溶液の体積)を吸い上げ、100 mLコニカルビーカーに移す。
- コニカルビーカーにフェノールフタレイン指示薬[p・p]を1滴加える。(炭酸ナトリウムの物質量には影響しない)
- 濃度不明 C [mol/L]の塩酸約50 mLをビーカー(100 mL用)に用意し、ろうとを用いてビュレットに移し入れる。別の受け用ビーカー(100 mL用)を下に準備しておき、ビュレットの先の空気抜きをしておく。受け用ビーカーの塩酸は再利用せず廃棄する。
- ビュレット先端のしずくを受けビーカーで取り除き、ビュレット中の塩酸の上端が目盛り0より下にきていることを確認しておく。
- ビュレット中の塩酸の開始時の体積v1を記録する。目盛りは、小数点第2位まで目分量(!)で読み取る。
- ビュレット下にコニカルビーカーを置き、炭酸ナトリウム水溶液に向かって塩酸を滴していく。
- フェノールフタレインの色が完全に消える寸前で止める。第一段階の中和時の体積vm を記録する。→ 結果表へ
- 今度は、メチルオレンジ指示薬[M・O]を1滴加える。(炭酸ナトリウムの物質量には影響しない)
- メチルオレンジ指示薬(黄色)の色が完全に変化してしまう寸前で止める。中和の第二段階時の体積v2 を記録する。→ 結果表へ
- ホールピペットで炭酸ナトリウム水溶液を吸い上げる操作を10回以上繰り返し、データを数多く取得する。ただし、ホールピペットの再利用時には、共洗い操作を行うこと。
「工夫と注意・片付けなど」
- ガラス器具の先端に注意して洗浄すること。
- ホールピペットやビュレットは逆さにして乾燥させること。
「観 察」
*ここに、操作法の工夫・注意点などもまとめておく。
*写真と直筆のイラストはそれぞれ一枚以上入れること。
例えば…
- メスフラスコによる炭酸ナトリウム標準溶液の調製の工夫
- ホールピペットによる、正確なv’=10mLを吸い上げる際の工夫。コニカルビーカーにフェノールフタレイン指示薬[p・p]を1滴加えた際の色の変化。
- 濃度不明 C [mol/L]の塩酸について
- ビュレットビュレット使用の際の注意点
- フェノールフタレインの色はどのように変化したか。
- メチルオレンジの色はどのように変化したか。
…などなど、記録をここに残しておく
「結 果」
回 |
v1 |
vm |
v2 |
v=v2-v1 |
判定 |
1 |
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2 |
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3 |
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4 |
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5 |
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6 |
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7 |
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8 |
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*この中から実験として明らかに失敗したものを除外(×印)し、有意なデータ(〇印)を取り出して平均を求める。データが10回得られると、計算に使える有効桁を1桁増やして、より精度を高めることが可能となる。
*中和に要した塩酸の体積v = v2-v1
v= ( )mL
*ビュレットにおける有効桁数は?
「考 察」
*考察の観点としては…
- 中和の公式を示し、それぞれの未知数はどのように求めることができたかを述べる。例えば、
- 無水炭酸ナトリウムNa2CO3水溶液の濃度C’の求め方: C’= n/v
ただし、n = m/Mのうち
m:無水炭酸ナトリウムの精秤質量
M:無水炭酸ナトリウムの分子量
さらに、メスフラスコの体積v:によりC’が確定する。
- 価数aとb:化学反応式により確定する。
- v’:ホールピペットの体積は確定している。
- v:実験結果の表から確定する
以上のデータを中和の公式に代入し、未知の塩酸の濃度 C mol/Lが算出される。
- 実験操作の過程で、そのようなことがどうデータに影響するのかを考察する。例えば…
(1)無水炭酸ナトリウムの純度が低い場合はどうなるか?
- 単に水分(例えば1%)を含んでいたとしたら…。
- 空気中の微量の二酸化炭素の存在はどう影響するか? → どんな化学反応が起こるのか、式などで具体的に説明する。やはり、例えば1%の無水炭酸ナトリウムが二酸化炭素を反応してしまっていたとすれば…。
(2)その他、vmの値からわかることや実験操作全体を通じて考察できることがあれば挙げる。
「参考文献等」
著作者,文献の書名,出版社名,出版西暦年,該当のページ.
の順で書くことになっている。
例:紫式部,源氏物語,道長株式会社,1008,第2巻pp.184-189.
webサイトの画像やグラフをそのまま「引用(×参考)」する場合は、該当webアドレスを記載し、最後にその年月日を付しておく。(webは書き換えがあるのでその時点の引用であることを示すため)
例えば…二段階滴定や指示薬の変化(変色域の数値など)についての解説を参考にしたものは、そのまま引用するほうが合理的。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。
