• 教材や実験の開発情報

アルミパイプに水を入れてろうそくの火で加熱すると、水が蒸気となって勢いよく噴き出します。その勢いを推進力にしている教材です。

ここで紹介するのは、アルミパイプとスポンジ、円形平置きタイプのロウソク2本を使用したものです。アルミは軽く加工しやすく、長さの調整で切断も容易という利点があります。また、蒸気の排出口を180℃ずらして回転運動にしています。直新型のタイプも人気ですが、一定の大きさの水槽が必要になるのが難点でした。さらに、アルミパイプの巻き方を工夫し、ロウソク2本のツインエンジンで勢いを維持しやすくという工夫がなされています。ただ、あのブリキの「ポンポン音」がしないのが寂しい感じはします。

さらに、アルミパイプの巻き数と高さ、スポンジの端をカットして摩擦を減じるなど工夫するとよいでしょう。点火前に、パイプに水を入れておくことも忘れずに。

仕組みとしては…いったん蒸気が発生して排出されるものの、排出量には限界があるのと、加熱部分が蒸発熱によりいったん冷やされるのです。それによって、パイプ内に水が引き込まれ、また加熱されることで蒸気が発生する…これを繰り返すことになります。2本のパイプから排出される蒸気の出方は、パイプの長さや太さ、加熱の具合などによって、それぞれ差があるので、ずれながらでも回転運動が維持されることになります。ただし、たまに回転運動が止まってしまうことが起こります。これは、たまたま2本からの排出のタイミングが一致してしまうことによるものです。振動の周期が一致するような感じですね。でも、すぐにバランスが崩れ、また蒸気の排出が繰り返されるようになるはずです。

「動 画」授業での演示実験記録

ブリキの水タンクでの蒸発⇄液化の際の乾いた音とおだやかな炎がそこはかとなくレトロ感を醸し出す優れた科学教材だと思います。

実際に動かしてみるとかなりのスピード感があります。タンク内で水が沸騰する際に大きな音が出るのは、ブリキ本体の作りにも関係ありそうです。スズ(錫鳴り)は独特な金属音を出すといいいますし…。工作については、マジックインキのボトルや銅線のチューブを使った教材なども紹介されているので、いろいろチャレンジしてみると良いでしょう。テキストでは、蒸気の力を利用して産業革命に貢献した、ワットとかフルトンとか、科学史での展開とすることも可能です。

「動 画」ものすごく古い動画です


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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