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飽和食塩水に無水エタノールを加えると、いきなり白い結晶が現れ、雪のように降り注いでくる様子が観察できます。

「動 画」上方に白い結晶が析出

□白く濁った部分からいきなり結晶が現れます。

「解 説」

過飽和状態からの結晶析出:飽和状態になっていた塩化ナトリウム水溶液の上方から無水エタノールを加えると、エタノール層に水が引き寄せられます。塩化ナトリウム水溶液側の水が相対的に減るわけですから、塩化ナトリウムが過飽和状態となるのです。また、エタノール密度(0.785・25℃)は水よりも小さいので、ビーカー上方にはエタノール層ができます。いったん過飽和状態であった塩化ナトリウム成分が析出する直前に白濁して白い液体の層となり、形成された境界面から白い結晶が突然現れ、まるで雪が降り注ぐように下方に落ちていくのです。

「画 像」白い結晶が析出

□白く濁った部分から突然ふってくる感じ

境界面の観察:結晶析出が落ち着いて、過飽和状態がいったん解消されると、二層の液体は透明になって、その境界面がはっきりと観察できるようになります。観察しやすいように食紅を滴下すると、より境界面がはっきり見えてきます。ビーカーを軽くゆすっても、その境界面がゆらゆらと揺れるだけで簡単には混ざり合わないことがわかります。シンプルな実験ですが、濃度や温度の異なる成分が混じりにくいという一般的な現象を観察することができます。

「画 像」食紅で境界面がよく観察できる

□揺らしてもなかなか混ざらない

◇参考:なかなか混ざりにくい液体

◇材 料

・無水エタノール


▽このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。


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