生クリームをシェイクしてふわふわの泡状にし、さらにひたすら振り混ぜ続けていきます。すると白い泡がは消え、液体から分離して淡い黄色の固形分(バター)が得られます。
□材料の純生バターのメーカーによって所要時間がだいぶ異なるようです。タカナシ35-42がおススメです。
「操 作」簡略版(注意を要します)
「注意事項」
「解 説」
1.乳脂肪球がコロイド状になって分散している:生乳のうち、脂肪分の多い成分を遠心分離器など得たものが生クリームで、脂肪分が18%以上のものと規定されています。牛乳パックに3.6とか4.0のような数値表記がありますが、その数値と比べると生クリームの乳脂肪分の多さがわかりますね。生クリーム中では、脂肪がタンパク質の膜で包まれた乳脂肪球として分散しています。脂肪球は、一定の大きさを持つコロイドで表面電荷を持っているのですが、同じ電荷どうしがまるで磁石のN極とS極のように反発しあって溶液中で安定して分散していると考えられます。そこに振動を加えると、包み込んでいる膜が壊れて脂肪が出てきます。脂肪どうしが集まりやすくなるので、大きな塊を作って分離していくというしくみです。冷蔵庫のドアポケットに生クリームを入れておくと、ドアの開閉の刺激によって固まることもあるそうです。生クリームは白いのにバターが淡い黄色をしているのは、牛がカロテンを含む青草を食べてることに関係しているようです。
2.『bread and butter」:英語の『bread and butter』は、直訳すれはバターを塗ったパンですが、その意味合いは、生活・日常、あるいは生きるための手段ということを示します。バターの歴史は古く、起源はメソポタミア文明以前、おそらくは皮袋に入れた生乳を吊るして、揺するなどして作っていたものと考えられています。古代インドの叙情詩『マハーバーラタ』や聖書にもその記述が残っています。西洋では、オリーブオイルと並んで利用される油脂でもありましたが、チーズのような保存性が無いため、塗り薬や化粧品、ランプ燃料としても用いられてきたようです。わが国には明治維新以降、需要が高まりさかんに用いられるようになりました。その発音「バター」が「ぼうとろ」と聞こえ、各地の銘菓にもその名残が「ぼうとろ~」のように残っているものがあるようです。
◇サブタイトル:ベターなバター
◇キーワード:脂肪 ミセルコロイド 塩析
◇材 料:純生クリーム 4バック入り
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。