• 教材や実験の開発情報

異なる金属を組み合わせて、電池を作ることができます。身近な金属である硬貨(アルミニウムと銅)を使った、いわゆるコイン電池として実施されてきたものを紹介します。

「動 画」銅貨とアルミ貨を使用

□あくまで実験材料として一時的な使用にとどめます

「解 説」

正極に銅板(10円硬貨は合金)、負極にアルミニウム板、電解液には薄い酢酸を用いています。酢酸が電離して生じた水素イオンH+が、負極側から供給された電子を正極表面上で受け取ることで、酸化還元反応が完結します。正極に用いている銅板は、電子の授受に関わる媒体としての役割を果たすだけで、正極の銅自身は酸化還元反応に直接関与はしていません。

2H+ + 2e → H2

基本構造は、ボルタの電池で、電圧降下が激しく、起電力は一瞬で著しく低下してしまいます。実験では、6ユニットを積み重ねて電圧を高め、なんとかLEDを発光させています。操作では、ろ紙が大き過ぎるて別のユニットの硬貨と接触していたり、電極を横に倒して全体が酢酸水溶液に浸っていると発光しません。また、ダイオードの極性を事前に確認しておく必要もあります。あくまで演示で、電池反応が起こっていることの確認程度にとどめる程度にします。

※硬貨を安易に用いてそのまま使用し続けることにも問題があります。あくまで「ちょっと使うだけ」程度とします。硬貨を加工したり通貨以外の目的で使用することは勧められませんが、ボルタの電池など、歴史的な意味もあるので、意図的な変造、加工、鋳造でなければ、ただちに大きな問題は生じることはないでしょう。一時的な「使用」であることを強調し、目的を果たしたら、解体して硬貨として使用できる状態に復元してください。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。




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