銅(Ⅱ)イオンにアンモニア水を加えるとゲル状の水酸化銅の青白沈殿が生じます。さらに、アンモニア水を過剰に加えると沈殿が溶け、濃青色透明の錯イオンを生じます。
硫酸銅水溶液などの銅(Ⅱ)イオンに塩基性のアンモニア水を加えると…
Cu2+ + 2OH- → Cu(OH)2↓
水酸化銅の青白色沈殿がゲル状になって生成します。そのまま静置すれば試験管の下の方に溜まってきます。そこに、さらに過剰のアンモニア水を加えていくと、次第に水酸化銅の沈殿が溶けて、濃青色の透明水溶液となります。
Cu(OH)2 + 4NH3 ⇄ [Cu(NH3)4]2+ + 2OH–
生成した錯イオンは、テトラアンミン銅(Ⅱ)イオンで、沈殿から透明になるところが鮮やかな変化です。この反応は、平衡状態を保っているので、物質の量を加減してどちらにでも移動させることができます。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。
◇著書(単著):『サクッと!化学実験(dZERO)』『高校教師が教える化学実験室』『実験マニア(亜紀書房)』