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硫酸銅の濃厚水溶液を調製し、放冷によってきれいな青色の結晶を得ようとするものです。

動画は、簡単な操作を紹介したものですが、あわてて急冷したり、振動を与えたりすると、結晶が急成長し細かく形が崩れてものができやすくなってしまいます。いったんろ過して、小さなほこりを除去しておくのも、結晶核ができるのを抑えるためです。過飽和状態が維持される時間が長くなれば、それだけゆっくりと結晶化が進行するので、もっと全体量を多くして、発泡スチロール容器などでゆっくり冷やすと、大きくて形の良い結晶が得られやすくなるでしょう。

なお、通常、硫酸銅とは、硫酸銅(Ⅱ)五水和物(CuSO4・5H2O)のことを指すことがほとんどです。この水和物は三斜晶系結晶で、深い青色の美しい結晶として知られています。水に溶けやすく、温度による溶解度の変化が比較的大きく(例80℃ 83g → 20℃ 32g/100g水)、再結晶の際に五水和物として析出します。そのため、温度変化に伴う溶解度と濃度、析出量、式量計算を扱う学習でも頻出のテーマになっています。なお、銅は重金属であるので、廃液処理などの取り扱いには注意が必要です。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。

  


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