キッチンにある小麦粉でも、条件によって爆発事故につながることがあります。小さいスケールの爆発実験から、製粉工場などで起こる事故について考えてみます。
□注意を要する実験です
「解 説」粉塵爆発は空中に浮遊している微粒子となった成分が燃焼し、燃焼が継続し、比較的短時間に伝播することで起こります。石炭の微粉末や砂糖のような食品、アルミニウム粉末のような金属粉でも爆発を起こすことがあり、歴史的にも、炭鉱の坑道、製糖工場の建造物が破壊・炎上する事故が多数起こっています。粉塵爆発の起こる条件としては、細かい粉塵(表面積が大きいもの)が、ある一定の割合で存在し、しかも飛散する空気中に十分な酸素のもと、着火元があることです。また、浮遊する粉塵の粒子の種類、大きさや粒子間距離も複雑に関与します。特に粒子間距離が重要で、これが開きすぎても、短すぎても燃焼が伝播せず爆発は起きません。しかし、規模や施設環境によっては変動要素が大きくなり、大きな爆発に至る危険もあります。
実験映像では、マヨネーズ容器に小麦粉を入れてデモを実施しています。閉鎖空間ではなく湿った新聞をしいているので危険性は低いのですが、それなりの迫力があります。実施する場合は、安全な環境で指導者の監視のもとで行う必要があります。
◇実験タイトル:小麦粉で粉塵爆発のデモ
◇サブタイトル:獅子粉迅(ふんじん)
◇学習項目:粉塵爆発 酸化 燃焼 反応速度 粒子
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、解説の一部を非公開にしてあります。操作には一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対(!)にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものが多いので参考にして下さい。