最も人気ある実験のひとつで、中学教科書でも掲載されているテーマですが、これが意外に難度が高いのです。あてずっぽうでは失敗しやすいので、上手に焼き上げるテクニックを紹介します。
「動 画」上手に焼くテクニック
「動 画」ザラメを使用
「動 画」イベントでの実演の記録映像
「動 画」学生によるイベント出店のための練習風景
「動 画」グラニュー糖を使用したパターン
「実験タイトル」カルメ焼きをつくる
「サブタイトル」おお、カルメ~ン!
「実験概要」砂糖を火であぶり、何やら秘密の種を落とすとあわが立ち始め、あまーい香りがしたかと思うとふわっとしたお菓子が焼き上がる…。かつてはどのお祭りでも見られた光景でしたが、他の魅力的な甘味料のパワーに押されてか、ここ最近さっぱり見かけなくなってしまいました。しかし、口にできるお菓子の限られれていた世代の方々にとって忘れられないのがこのかるめ焼き。昔懐かしレトロな砂糖菓子の味を楽しむ方法です。
「キーワード」熱分解 物質量 化学反応式
「操 作」
「注意と工夫」
「解 説」
発生するのは二酸化炭素:一般に重曹と呼ばれるものは炭酸水素ナトリウムのことで、熱を加えることで二酸化炭素と水に分解します。加熱すればぶくぶくと泡が出てくるので、ふかふかお菓子作りには欠かせない材料です。砂糖水は加熱によって水分が抜け、次第に粘性が大きくなっていきます。一定のところで加熱を停止すると、細かい砂糖の結晶化が起こります。この際、添加した炭酸水素ナトリウムが分解し二酸化炭素が発生、空間を持ついわゆるエアイン構造ができあがるのです。温度が低いと、うまく発泡が起こらず、逆に高すぎると結晶化せずにガラス状(べっこう飴はこれ)になって固まってしまいます。上手なカルメ焼き作りのコツは、温度のコントロールが決め手のようです。
なつかしい味?:ある一定の年齢層の方にかるめ焼きについての思い出をお聞きしますと、その甘さへの郷愁以上に、どこか苦々しい味も思い出してしまうものだといいます。あの食糧難の時代の記憶が重なり、とても「むかし懐かしい」という表現は、素直に受け入れられないという方もおられるようでした。しかし、中学理科教科書にも掲載されている項目であるのに、学校現場では、やれ火を使うなとか、食べさせて「何か(?)」あったらどうするんだ、というコンプライアンスの標的にされている現実もあるようです。学校はもちろんのこと、公民館や地域行事でも、最近は、こういった楽しい実験教材が姿を消しつつあります。ともあれ、人工的な味に慣れきった飽食の時代の子ども達に、素朴な砂糖菓子の味を楽しんでもらう機会としてみてはいかがでしょう。
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。