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ショウノウは、古くからタンスの防虫剤として使われてきたことで知られる成分です。天然には、クスノキ(楠)の葉に香気成分として存在しているもので、自然素材への関心が高まり、最近は需要が復活しているとのこと。

「動 画」懐かしのショウノウボート・ゆらゆら動き回る炎

発泡スチロールにショウノウの固まりを仕込むと推進力が生まれます。また、燃えやすく容易に水面に浮かばせることもできます。

「動 画」学生による簡単な演示実験

「動 画」クスノキ葉からショウノウ成分を水蒸気蒸留

簡易的な装置でショウノウ成分を蒸留しています。


「解 説」

1.ショウノウ:ショウノウ(樟脳)は、クスノキから得られる香気の主成分で、融点 180℃、沸点 208℃の白色半透明の結晶。C10H16O で表されるケトンの一種。分子内には6員環のケトンにプロパンの第2炭素が橋渡しでつながる二環性の構造を持っています。カンフルと呼ばれることもあり、血行促進や鎮痛、消炎作用があるため外用医薬品に使用されることでも知られています。なお、「カンフル剤」という表現は、この物質の効果に由来し、元気になるとか活力が生まれるといった場合に用いられます。

1.水蒸気蒸留による成分の分離:水蒸気蒸留とは、比較的蒸気圧の高い成分を水と混合させることで、比較的低温で目的成分を蒸留・分離する方法です。目的成分の蒸気圧と水の蒸気圧の和が大気圧に等しくなる温度で沸騰が起こり、留出してきた成分を誘導して冷却します。留出してきた成分が水に溶けにくければ、分離して得やすくなるわけです。植物体に含まれる香気成分の分離に都合が良く、ハーブオイルなどの精油を得る方法として、工業的に利用されることで知られています。

2.ショウノウ:ショウノウ(樟脳)は、クスノキから得られる香気の主成分で、融点 180℃、沸点 208℃の白色半透明の結晶。C10H16O で表されるケトンの一種だが、分子内には6員環のケトンにプロパンの第2炭素が橋渡しでつながる二環性の構造を持っています。カンフル(camphor)と呼ばれることもあり、血行促進や鎮痛、消炎作用があるため外用医薬品に使用されることでも知られています。なお、「カンフル剤」という表現は、この物質の効果に由来し、元気になるとか活力が生まれるといった場合に用いられます。


◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。


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