教材用のサンプルのダイヤモンドを燃やしてみるという、とてももったいないと思える実験です。しかし、熱せられて赤々となったダイヤモンドが、まばゆい光を放ち燃え尽きる瞬間を目にすることは、ある意味価値のあることのようにも思えます。
「動 画」実験操作編
「動 画」
「キーワード」炭素 単体 共有結合 結晶 硬度 屈折率
「サブタイトル」ダイヤ、もったいナイヤ!
「観 察」石英管に入れた小さなダイヤモンドをトーチバーナーで加熱すると十数秒で橙色となりますが、ここまでは鉄などの金属やガラスなどを加熱した場合とほぼ同様です。それ以上のはっきりとした変化は起こらないようですが、そこに酸素を静かに供給しますと劇的な変化が現れます。ダイヤが強烈に強い光を放ちはじめ、サングラスが必要なくらいの輝きが数十秒続くのです。それは見事な光ですが、・・・
…省略…
「解 説」
1. 特筆すべき物質:ダイヤモンドは、原子番号6の炭素原子のみから構成される単体です。そのことは、燃焼のあとに発生した気体(二酸化炭素)を石灰水(水酸化カルシウム水溶液)に通じて白濁(炭酸カルシウム)が観察されたことからも理解できます。ダイヤモンドの燃焼から、白濁が生じるまでの反応式は次の通りです。
C + O2 → CO2 Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3 + H2O
炭素原子どうしが109.5°の角度で共有結合(sp3混成軌道)により結びつき、連続した共有結合による巨大分子(結晶)が作られます。すべての価電子が結合に使われているため電気は通しませんが、熱伝導性は飛び抜けて高く、熱を伝えやすい金属である銀や銅の…
…省略…
2. 宝石の王者:口の悪い批評家に言わせると世の中には二種類の宝石しかないそうです。一つはダイヤモンド、もう一方はダイヤモンド意外のすべてのクズ宝石だそうです。確かに、表面が細かくカットされたダイヤモンドの輝きは、間違いなくこの世で最も美しいものの一つに…省略…
◇このブログで発信する情報は、取扱いに注意を要する内容を含んでおり、実験材料・操作、解説の一部を非公開にしてあります。操作に一定のスキル・環境を要しますので、記事や映像を見ただけで実験を行うことは絶対にしないで下さい。詳細は、次の3書(管理者の単著作物)でも扱っているものがありますので参考になさってください。